ワタシの秘密(黒王子VS地味子)
「わかんないよ。だけどね、麗衣ちゃん、私ね、麗衣ちゃんがうらやましいんだ。」





「え?」





いきなりそんなことを言われると思ってなかったのか麗衣ちゃんの顔が点になった。





「だってその日に告白したんでしょ?」





「ま、まあ。」





「すごいと思う。私にはそんなことできない。いつも思ったことを言えてすぐ行動できてそんな麗衣ちゃんはすごいと思う。行動できなくてなにも変わってない私よっぽどすごいよ。」





私は廉が好きだけどもし私を好きじゃなかったら?遊びだったら?って怖くて動けないんだ。





「なにもできなくて終わるより行動して終わるほうがよっぽどいいと思わない?私にはそれができないんだ。それにね?麗衣ちゃんは純粋に廉が好きなんでしょ?」





この子はずっと長年片思いしてきただけ。





好きで好きでここまで頑張ってきただけ。





だから麗衣ちゃんはなにも悪くないんだ。





好きな人のためにここまで頑張るってそう簡単にできることじゃない。





だけど麗衣ちゃんはやってのけたんだ。





だけどね?





「だけどね?麗衣ちゃん。廉はものじゃない。人なんだ。自分の目的だけで誰かを傷つけることは許されない。」





誰かを傷つけてしまうことなんてある。




だけど自らがわかっていて傷つけにいったらだめなんだ。





だってみんな同じだよ?





自分がされて嫌なことなんて人にしちゃ絶対ダメ。




「麗衣ちゃんはそこをちょっと間違っちゃっただけなんだね?ずっとずっと廉のために頑張ってきたんだよね?」





私がそういうと麗衣ちゃんが泣き始めた。





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