「Last note」〜矢崎円香の恋慕事情。
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翌朝、私は夢を見ていた…。

"円香!おいで!"

"パパぁっ!"

幼い頃、親に海に連れて行ってもらった事がある。
とても綺麗な海で、黄色のワンピースを着た6歳の私は、大好きな父の胸に飛び込んだ…。

だけど、突然空は夕方に変わり、
海には凪が訪れていた。

"円香、父さん行かないと…"

"……どこに?"

"…円香が知らない、遠い場所。"

"やだ。円香も行く!"

"ダメだ。まだ来ちゃだめだよ…?"

海を見つめる父の横顔が、オレンジに染まると
1人海へと歩き出した…。

"行かないでっ!パパ!待って!"

追いかけようとしたが、足が動かない。

"パパぁっ!行かないでぇ!"

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