「Last note」〜矢崎円香の恋慕事情。
そしてベッドから体を起こすと、
私を見つめて言ってくれた。
「俺にとって矢崎は、
1人の女性として大切な存在だ。」
難波さんの真剣な表情で伝えてくれた言葉に、
私の閉じていた蓋が、
幻のようにキラキラと消えていった…。
「警察の仕事をしていると、簡単には伝えられない事情が出てくるんだ。ましてや職場が同じだと理性が必要だからな。」
「好きです、難波さん。」
溢れ出したのは、難波さんを1人の男性として好きだと思ってる感情だった……。
私はずっと、この感情に気づいていた…。
「あの日からずっと、もう誰かを好きになれないって思ってました…だけど、違ったんです。
好きになるのが、怖かっただけなんです…。」