Daisy
「なあ柏木」
「んー?」
「付いてる」
気づけば4年目、
今はこうしてアイスを食べる仲になっていて
彼女の口元に付いてるアイスを
拭いてあげているこの状況を
高一だった僕は想像できただろうか。
彼女と僕は同じエスカレーター式で
そのまま大学に上がり
自主休講をしてアイスを一緒に食べているわけで
どこからどうみても
2人の平行線的な関係は今日も良好であった。
でも僕はこれに満足している。
「宙(そら)のもちょうだいよ」
「ほら」
彼女が僕の下の名前で呼んでくることも
最近になって慣れてきた。
「柏木、昨日の男と付き合ってるの?」
「うん。どうよ?今回はいい人そうでしょう?」
「まあ、前回よりはマシかもね」
「その言い方むかつくなあ(笑)」
「柏木は、好きになるより好きになってもらう人を選べば幸せになれるよ」
彼女は追いかけることに恋をしてるから
この間はボクサーを目指すイカつい男で
つい最近はバンドの卵
、、、いや、あいつは最悪だったな
ただのヒモでしかなかった。
今回は、よく分からないが
同じ大学生らしい。
バラエティ豊かで
好みが特定できない。
「どんな奴が好きなの?」
「タイプないんだよね」
本人がこれだから。