アンドロイドに眼鏡は必要か？
中に入り、ほっと小さく息を吐き出した次の瞬間、男はカスミを怒鳴りつけた。

「嵐の中をあんなところに、しかもテントで居座るなんて死ぬ気ですか！？
僕が中に入れなかったらどうする気だったんですか！？
あなたは莫迦なんですか！？」

「自分はアンドロイドだとかいう変人に言われたくない……」

カスミがふて腐れ、男ははぁーっと大きなため息を落とした。

「とりあえずシャワー、浴びてきてください。
このままじゃ風邪を引く」

「あなたは？
私は別に……くしょん」

「だから。
僕はアンドロイドなので風邪を引きませんから」

カスミのくしゃみに苦笑いを浮かべた男の言葉に甘えて、シャワーを借りることにした。
借りた服はカスミには大きく、袖や裾を何度も折らなければならなかった。

シャワーを出ると、すでに着替えていた男がコーヒーを勧めてくる。
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