アンドロイドに眼鏡は必要か?
「残された研究、見てもいいですよ。
……ただし」

「ただし?」

なにか無理難題でも出されるんだろうか、固唾を飲んだカスミだったが。

「許可した場所以外に入らない、僕の研究を邪魔しない。
このふたつが守れるなら、ですが」

「それくらい守れるわ!
ありがとう!」

「いえ、研究所の前に居座られていても迷惑ですし。
それに、約束を破った場合は即、追い出しますから」

にっこりと笑う男に、自分がはしゃぎすぎていることに気付き、恥ずかしくて顔に熱が上っていく。

急にカスミが黙ってしまい、男は不思議そうな顔をしていた。

「自己紹介がまだだったわ。
私はカスミ。
カスミ・サタケよ」

「ハーキースです。
よろしく、カスミ」
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