アンドロイドに眼鏡は必要か?
目をきらきらと輝かせ、ぐいぐいカスミが迫ってきて、ハーキースの背中が若干、仰け反り気味になる。
両手でカスミを押し戻し、姿勢を戻すとハーキースは小さく、こほんと咳払いした。

「僕の研究を邪魔しないという約束でしたよね」

「……ごめんなさい」

カスミは申し訳なさそうに、しゅんと背中を丸めてしまった。

……やっぱり、追い出されるのかな。

つい、興味に負けてしまったとはいえ、約束を破った自分が悪いのだ。
追い出されても文句は言えない。

固い顔で俯き、出ていけと言われるのを待っていたものの、聞こえてきたのはくすくすという笑い声。

驚いて顔を上げると、ハーキースがおかしそうに笑っていた。

「気を付けてくださいね。
次は、追い出しますから」

「はい!」
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