アンドロイドに眼鏡は必要か?
遺言、そう拒絶されるとこれ以上食い下がっていいのか躊躇われた。

けれど、ここを見つけるためにそれなりの時間と金を使ったのだ。

そうそう簡単に引き下がれない。

「ここまでくるの、大変だったんです。
ちょっとだけでもダメですか?」

「ダメです」

素っ気なく拒絶されると腹が立ってきた。

「ケチ!
冷血ロボット!」

「その通りですよ。
僕はアンドロイドですから」

「は?」

この男がなにを言っているのか理解できない。

アンドロイドなど珍しくない世の中だとはいえ、ここまで自然な表情のアンドロイドはいない。
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