夢はダイヤモンドを駆け巡る

「あなたはお金よりももっともっと価値のある、野球の才能を持っている。どんなお金持ちも松本くんの才能をお金で買うことはできない。

……つまりね、あなたがお金持ちに対して傲慢だと感じるのと同じように、才能のない人はあなたに対して傲慢だって思うんじゃない？

　松本くんはさっき『野球は通過点でありゴールじゃない。道具であって目的じゃない』って言ったよね？　そんな傲慢な言葉がよく出るよね。ああ、もったいない。これじゃお金持ちがどぶに札束を放り投げているのと全く同じじゃない。

　想像してみてよ、小神が腕に着けている高価な腕時計だとか財布を『こんなもの道具にすぎません』って言いながらどぶに投げ捨てる光景を。虫唾が走るでしょ？」