夢はダイヤモンドを駆け巡る
松本くんの夢の中に取り込まれて以来、小神はすっかり様子が変わっていた。
以前まであれだけ奇人変人を振りまきながらもなお自身に誇りと自信を持っていたはずの小神は、すっかり元気をなくし――
いや、「元気」という言葉はそれまでの小神を特徴づける要素とは言えないのかもしれない。
変人なりにも彼がもっていた生命力のようなもの、例えば持論を語る際の饒舌さや他人が誤ったことを口にした際すかさず突っ込む反論といったものが、すっかり失われてしまっていた。
単刀直入に言えば、今の小神はただの暗くて自己主張のない腑抜けた眼鏡男だった。
以前まであれだけ奇人変人を振りまきながらもなお自身に誇りと自信を持っていたはずの小神は、すっかり元気をなくし――
いや、「元気」という言葉はそれまでの小神を特徴づける要素とは言えないのかもしれない。
変人なりにも彼がもっていた生命力のようなもの、例えば持論を語る際の饒舌さや他人が誤ったことを口にした際すかさず突っ込む反論といったものが、すっかり失われてしまっていた。
単刀直入に言えば、今の小神はただの暗くて自己主張のない腑抜けた眼鏡男だった。