夢はダイヤモンドを駆け巡る
「愚か」の部分を強調してわたしは小神に宣戦布告する。

　予想通り、彼は不快そうに眉を顰め、箸の動きを止めた。

　わたしには目を合わさず、ぼそりと低い声で疑問を呈する。

「……どういうことでしょう」

　その瞬間、小神の眼鏡の奥に暗雲が立ち込めていくのをわたしははっきりと目撃したのだ！

　その時の小神の目を今でもわたしははっきりと記憶していて、飲み会の際にからかいの種にすることがあるほどなのだから！

「先輩が学校を休みがちだったその間に、わが校の食堂に何が起こったのかをあなたは知らないでしょう？」

　芝居めいた口調で尋ねると、小神ははっと顔を上げた。

　わたしの目をじいっと凝視する。

　その目にはわずかではあるが狼狽の色が浮かんでいる。

　しめた！　いい気味だ！

「私が休んでいる間に、何があったというのですか？」

「日替わりランチ革命です！　なんと、一学期という中途半端な時期に調理担当のおばちゃんが退職され、新たなる担当者に交代したのです！　これぞ日替わりランチ革命！　新生日替わりランチは種類も新たにAランチからCランチまでの三種類に選択肢が増えたのです！」



「な……んと」
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