私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
 と思い、結城さんの顔を見るも、無変化の仏頂面。
 もう、こういう人だと割り切るしかないな……!
「私も結城さんといると、時間が速く流れていくように感じます」
「時間は主観的なものだということをつくづく感じさせられますね。相対性理論そのものでしょうか」

 前言撤回。

 私が思ったような、甘い趣旨での発言ではなく、認知的な問題を言っていただけみたい。
 私はメロンの一切れをパクリ。
「甘くて美味しいですね!」
 こういうときは、話を切り替えるに限る。メロンが美味しいのは、事実だもの。
「そうですね。お気に召していただけたようで、幸いです」
「ここの料理、どれもとっても美味しかったです! ステキなレストランに連れてきていただき、ありがとうございました!」
 それからしばらく雑談を交わし、結城さんがスマートに二人分の支払いを終え(私も支払うと言ったが、聞かなかったのだ)、夜の川辺を散歩することに。

 う~ん。
 私、何かの話題をすっかり忘れているような気がするんだけど、何だったっけ?
 数杯飲んだ紹興酒が回ったのもあり、すっかり忘れていたのだった。
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