私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
「いや……、その、敬語ってやっぱりよそよそしいかなって思ったんですが」
「敬称も敬語もない方が、彼氏としてふさわしいでしょうか?」

 いつもの仏頂面で聞かれると、責められているような気がしてしまう……!
 いや、単に女性慣れしていないだけだろう。

「気張らず、友達と話す感じでいいですよ」
「では、これから、何とお呼びしましょ……呼んだらいいかな?」

 ちょっとぎこちないけれど、徐々に言葉を変え始める様子、可愛らしいじゃん!

「すごくいい感じ! これからそのしゃべりかたにして! 私のことは、ファーストネームでいいよ」

 照れたようにはにかみながら、頷く。

「じゃあ、わたく……僕も同じく、ファーストネームでいいよ」

 こんな風に、徐々に徐々に距離を縮めようと努力してみた。普通のカップル風になるように、と。
 思ったんだけれど……。
< 110 / 258 >

この作品をシェア

pagetop