私の彼氏は真面目過ぎる！【完】

「本当に結城さんって、前の翔馬とか言う男とは、全然違うタイプの男じゃん。PDFファイルのくだりは本当に笑えるわ」
　豪快に笑うと、彼女はビールを飲み干しハイボールを注文する。
「翔馬とは、比べものにならないよ」
　私は首を振った。
　かなり調子いいスピードでジョッキを空けていく友人を見ていると、気分がすっきりするのは、やっぱり心のどこかでお酒が飲める彼氏がいいと思っているからだろうか？
　私がじっと彼女の殻になったジョッキを見つめていたからだろうか、ふと彼女は眉をひそめ、こう尋ねた。

「そういや、結城さんはお酒が苦手なんだっけ？」

　何かが、引っかかる。

　彼女に問われ、ふと私は焼き鳥の串を手にしたまま、制止する。

「いや……苦手ではないんだけど」

　何だろう、この引っかかりは。