私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
「あれ、飲めるんだ」
「ううん。飲めない……という言い方じゃなくて……何だったっけ」
私は混濁した記憶を掘り返す。
この話を、私は浩太郎といつどこでしたのだっけ?
と考えて、ああ、前の水曜日、中華のお店でだ、と思い出す。
あの時浩太郎にお酒の話題を振ったはずだったが、職場の宗方さんが現れたせいで、有耶無耶になったまま話が流れてしまったのだ。
水曜日に浩太郎は確かこういった。
『アルコールに対するアレルギー反応は出たことがありません』
『では、どうして飲まれないんですか?』
『大失敗を犯したことがあるからです』
大失敗の内容を聞こうとして、キャバ嬢(確定でいいか)を連れる宗方さんと目が合ってしまったんだった。
記憶の糸を一本ずつたどりながら、友人にその出来事を話してみる。
「大失敗の内容は、聞けなかったんだね」
「そうなの。気になるなあ」
「絶対オンナ絡みじゃない、それ?」
真剣な目の光りに、ドキッと胸が鳴る。
私は慌てて反論する。
「まさか、あの真面目な浩太郎に限って、」
「冗談だよ」
「ううん。飲めない……という言い方じゃなくて……何だったっけ」
私は混濁した記憶を掘り返す。
この話を、私は浩太郎といつどこでしたのだっけ?
と考えて、ああ、前の水曜日、中華のお店でだ、と思い出す。
あの時浩太郎にお酒の話題を振ったはずだったが、職場の宗方さんが現れたせいで、有耶無耶になったまま話が流れてしまったのだ。
水曜日に浩太郎は確かこういった。
『アルコールに対するアレルギー反応は出たことがありません』
『では、どうして飲まれないんですか?』
『大失敗を犯したことがあるからです』
大失敗の内容を聞こうとして、キャバ嬢(確定でいいか)を連れる宗方さんと目が合ってしまったんだった。
記憶の糸を一本ずつたどりながら、友人にその出来事を話してみる。
「大失敗の内容は、聞けなかったんだね」
「そうなの。気になるなあ」
「絶対オンナ絡みじゃない、それ?」
真剣な目の光りに、ドキッと胸が鳴る。
私は慌てて反論する。
「まさか、あの真面目な浩太郎に限って、」
「冗談だよ」