私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
「ちょ、変な冗談やめてよっ……!」
 私は友達のほっぺを軽くつねった。
 いーたーいーよー、とちっとも痛くなさそうに言いながら、私の手を外す。
「そんなクソ真面目で彼女ができたこともない人が、オンナ絡みで失敗してるわけないっしょ」
 あきれたような口調で言われてしまうと、一瞬でも心配した自分が馬鹿だったような気がする。
「でも、結婚する前に失敗のことは聞いておいた方がいいよ」
「そうするよ」

 私はこの時ちっとも疑っていなかった。
 浩太郎が、オンナ絡みの失敗をするはずがない、と。


***

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