私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
第二話 あなたのことを信じてもいいよね?
飲み屋街の一角にある雑居ビルの4階にある、広々としたダイニングバー。道路からは看板が見えにくいというのに、間違いのない味と、それから時たま取り上げるメディアの力もあって、いつも客で賑わっている。
だから、予約なしで向かっても大丈夫だろうか……と不安があったのだが。
平日の早めの時間だったからだろう、なんとかカップルシートを取ってもらうことができた。窓際の一等区画ではないが、取ってもらえただけで奇跡的だ。
「いい雰囲気のお店だね」
内観を見渡して浩太郎が褒める。そう口にしながらネクタイを緩める姿に、ちょっとキュンと来てしまう。
「食事のメニューも豊富なんだよ」
そう言って私はメニューを手渡し、めいめい好きに注文する。
私は赤ワインを飲みたい気分だったので、欲望のままにそれをオーダーした。浩太郎はジンジャエールを小声で注文していた。恥ずかしがらなくてもいいのに……。
「この間は、本当にごめんね」
飲み物がやってくるより早く、浩太郎が頭を下げた。前の美術館デートのことを言っているのだ。
「もう気にしなくていいよ。浩太郎が善意でやったっていうのは、よくわかってるし」
「善意だとしても結果的に……」
「あー、もういいっていいいって。ほら、飲み物も来たよ」
目の前にやって来た、ジンジャエールと、赤ワイン。
ワインを前に、私の頭の中でよみがえる友人の警告――。
――絶対オンナ絡みじゃない、それ?
だから、予約なしで向かっても大丈夫だろうか……と不安があったのだが。
平日の早めの時間だったからだろう、なんとかカップルシートを取ってもらうことができた。窓際の一等区画ではないが、取ってもらえただけで奇跡的だ。
「いい雰囲気のお店だね」
内観を見渡して浩太郎が褒める。そう口にしながらネクタイを緩める姿に、ちょっとキュンと来てしまう。
「食事のメニューも豊富なんだよ」
そう言って私はメニューを手渡し、めいめい好きに注文する。
私は赤ワインを飲みたい気分だったので、欲望のままにそれをオーダーした。浩太郎はジンジャエールを小声で注文していた。恥ずかしがらなくてもいいのに……。
「この間は、本当にごめんね」
飲み物がやってくるより早く、浩太郎が頭を下げた。前の美術館デートのことを言っているのだ。
「もう気にしなくていいよ。浩太郎が善意でやったっていうのは、よくわかってるし」
「善意だとしても結果的に……」
「あー、もういいっていいいって。ほら、飲み物も来たよ」
目の前にやって来た、ジンジャエールと、赤ワイン。
ワインを前に、私の頭の中でよみがえる友人の警告――。
――絶対オンナ絡みじゃない、それ?