私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
「……っていう風な雰囲気で、やっぱり女性だらけの職場だと伸び伸び働けなかったの」

 聞き出すタイミングをつかめない私は、結局核心に迫りそうにもない雑談ばかりしています、はい。

「男の僕には同性だらけの職場の方が気楽に思えるけど、女性はそうもいかないんだね」
「そうなの。でね、その口うるさい先輩が――」

 前菜、スープ、本日のおまかせメイン……。
 次々に料理が運ばれてくる。そのどれをも浩太郎は心から「おいしい」と喜んでくれている。

「ひばりちゃんのお店を選ぶセンスはとてもいいよね」
 さりげない褒め言葉も、私の心を安堵させる。気に入ってもらえて、良かった……。


 浩太郎と過ごす時間はあっという間で、
「最後にデザートをお持ちしますので、コーヒーか紅茶をお選び下さい」
もうデザートの時間になってしまった。ここのドルチェは本当に美味しいのだ。サービスで入れてくれるコーヒーも紅茶も、本格喫茶風で気に入っている。

 私も浩太郎もコーヒーを選んだところで、少しできる待ち時間。
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