私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
 ギクリ、と浩太郎は気まずそうに顔を上げた。

「直後は結構僕に関心を寄せていたようなんだけど……しばらくしたら『もういいですっ、知りません!』といった感じで。かなりよそよそしい関係というか……。研究、しづらかったな……みんなに迷惑かけたなあ……」

「理系の研究室ってチームワークだもんね……」
 あくまで、聞きかじりだが。

「自分がやるべきことは研究だと思って、居直ったってところかな……」

 意外にも、そういういい意味での図太さは持ち合わせているらしい。そこで無理に研究室を出ていかず、研究に集中していたところには、好感が持てた。

「で、一応念押ししとくけどさ」
 私は座卓にバンっと手をついた。
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