私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
「……え、ええ」
はっと顔を戻して、道川さんは照れくさそうに首の後ろを掻いた。
「努力家の道川さんのことですから今も熱心に研究されているんでしょう」
「い、いえ……最近は壁にぶち当たっていると言いますか……なかなか成果が出ずに悩んでいまして」
おや、これは驚いた。
さっきまでの「敵」の関係から180度転換、今度は「研究室の先輩と後輩」の関係に戻っている!
お見事、浩太郎! ……と私は心の中で拍手を送った。
「道川さん、焦ってはいけません。研究というものは、すぐに結果が出るものではありません。
地道な実験の積み重ね、データ収集の繰り返しの長い道のりの先にやっと結果の入り口らしきものが見えてくるのです。
僕だって毎日失敗の連続です」
浩太郎でも失敗の連続なんだ、と私は彼氏の仕事ぶりを新鮮に感じた。
一度も研究している姿を見たことがないから、当然だけど。
「あなたは今、人生で初めてのスランプに陥っているんじゃないですか?」
問いかけに、道川は「どうして……」と目を丸くし、胸に手を当てた。図星なのだろう。
はっと顔を戻して、道川さんは照れくさそうに首の後ろを掻いた。
「努力家の道川さんのことですから今も熱心に研究されているんでしょう」
「い、いえ……最近は壁にぶち当たっていると言いますか……なかなか成果が出ずに悩んでいまして」
おや、これは驚いた。
さっきまでの「敵」の関係から180度転換、今度は「研究室の先輩と後輩」の関係に戻っている!
お見事、浩太郎! ……と私は心の中で拍手を送った。
「道川さん、焦ってはいけません。研究というものは、すぐに結果が出るものではありません。
地道な実験の積み重ね、データ収集の繰り返しの長い道のりの先にやっと結果の入り口らしきものが見えてくるのです。
僕だって毎日失敗の連続です」
浩太郎でも失敗の連続なんだ、と私は彼氏の仕事ぶりを新鮮に感じた。
一度も研究している姿を見たことがないから、当然だけど。
「あなたは今、人生で初めてのスランプに陥っているんじゃないですか?」
問いかけに、道川は「どうして……」と目を丸くし、胸に手を当てた。図星なのだろう。