私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
 結婚式を(花嫁には申し訳ないけれど)浮かない顔で過ごした私の異変には、列席していた友人たちも気がついていたらしい。

「実はね……」

 重たい口を開いた私。その内容に、彼女たちは驚愕した。

「まだ25歳だし、焦ることないよ。じっくりひばりが納得のいく答えを出そうよ」

 遠回しに別れを勧める声もあれば、

「話し合う余地はあると思うよ。ただひばりが愛しくて仕方ないだけじゃない?」

と、浩太郎を擁護する声もあった。

 その両者を帰り道の電車で天秤にかけ、家に着くなり私は浩太郎に電話した。
 つまり、後者の、“話し合うべき”という言葉に耳を傾けたわけだ。
 話し合ってもわかり合えなかったら、どうしよう――。
 いや、その「どうしよう」の答えは自明だけれど。
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