私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
 違う違う、このメロディーは、SNSの通知音だから、浩太郎のはずがない。


「お母さん?」

 母から来る、久しぶりのメッセージ。
 こんなにタイミング良く連絡が来るとは、さすが母親である。娘のピンチを嗅ぎつけたか。

『ひばり、恋愛の方はどうかしら?
 実は、どうしてもっていうおばさまからの見合いの話があるんだけど……やっぱり無理よね?』

 めちゃくちゃ神がかったタイミングやないかーい!

 エセ関西弁で母親にツッコミを入れつつ、私は悩む。
 この見合い話……とりあえず受けてみようかどうか、と。

 ええい!
 この際、浩太郎を忘れるためにも、新たな男性との出会いはいいかもしれないよね!?

 失恋の勢い、恐るべし。
 一分後には、『会ってみます』と返信していたのだった。

 浩太郎と別れて、わずか4日後の出来事である。
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