私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
 車で30分は結構な距離だけれど、移動中も学生時代にバンド活動をしたかったこと、でも田舎過ぎてメンバーも楽器も揃わなかったこと、バンド活動の代わりに合唱部に入ったら県大会まで進出できたこと、など様々な思い出話をしてくれたので、退屈ではなかった。
 徐々にこちらの緊張もほどけてくる。


――この人なら、お見合いとはいえ、恋愛感情も自然と持てそうだ。
 まだ、予感でしかないけれど。


 そんな風に思うと、無意識に微笑みが零れるのだった。

 破局の心の傷も、いつかは癒えて完全に消えるかもしれない。
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