私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
 連休の中日だからか、これほど辺鄙な場所(失礼だが)にあるカフェであるというのに、徐々に人が増えてきた気配がする。

 赤ちゃんが泣く声や子どもが走り回る音がするので、この辺りの子連れに人気のカフェなのだろう。

「ひばり、将来の夢は家庭を持つことだって言ってくれたよね?」

 サラダを食べこぼしながら陽人さんは尋ねた。それは昨日のお見合いでの会話内容。

 しっかりと覚えていてくれたんだ……。

 って、その前に、呼び捨て!?

 さっきまで「さん」づけだったよね!?

 距離の縮め方が雑すぎて、ついて行けない……。


「う、うん。子どもがほしいなって。それが細やかだけど、昔からの夢で」

「俺もわかるわー、それ! 子どもはできたら4人くらいほしい! みんなでサッカーとかしたいなー」

 ニコニコと、本当に楽しそうに将来の理想の家庭像を語る陽人さんを見ていると、すべてがどうでもよくなる。

 本当に素朴でいい人なんだな……。
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