私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
「じゃあ、俺たち結婚を前提に、付き合お!」

 口をローストビーフでもごもごさせながら、陽人さんは、告げた。

……う、うお!?

 そんなに軽く言っちゃう!?

 しかも昨日の今日で?

 色々と大ざっぱなところのある人だとは思っていたけれど、告白まで大ざっぱとは!

……って、いやいや、落ち着けひばり。

 私たちはあくまで「見合い」で知り合った仲だ。

 当然、結婚するかしないかがあらかじめ念頭に置かれて出会ったのだから、相性がいいと判断したら即付き合って短期間のうちに結婚する、そういうものだ!

 なので――
 なので――


 私も覚悟を決める!


「うん、よろしく!」


 浩太郎のことは忘れて。

 仕事も諦めて。

 都会での生活も捨てて。

 この故郷にほど近い田舎村で、陽人さんと私は人生を歩む。

 大らかだけど大ざっぱで、善良なこの男性を、私は生涯の伴侶として選ぶのだ。

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