私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
 謎は金曜日の夜になって解けた。というか、無理やり解いた。

 仕事終わりに電車に飛び乗り、村へと押しかけたのだ。
 両親には週末帰省(これまで滅多にやったことがない)をするとだけ告げて。

「ひばり、珍しいじゃない」

 家に着くと母親からはずいぶん驚かれたが、それどころではなかった。

「車、使うよ」

「え、いいけど、こんな夜にどこへ行くの?」

「大道寺さんの家」

 久しぶりに使う母親の軽自動車は運転しづらかったが、暗い夜道を慎重に走らせていく。

 街灯も見当たらないような一方通行の道を走るのは、勇気が要った。

 でもその日の私は、それができてしまうくらいには気が立っていたのだ。


――間違いない、あのカフェに陽人さんはいる!
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