私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
 というか、それ以上にびっくりしなくてはいけないのは、彼の所属する会社名だ。

 アドバンテージ製薬はこの日本でおそらく名を知らぬ人はいないであろう、最大級の製薬会社だ。そんな大きな会社で研究職をしているだなんて……!
 確かに彼、理系っぽいもんな。

 尊敬の念を抱きつつ、こちらも自己紹介をする。

「私は、朝井ひばりといいます。商社で事務職をしています」

「なるほど。商社ですか。具体的にどんなお仕事なのか、伺ってもよろしいでしょうか?」

 うわあ、ものすっごく丁寧な言葉遣いだな!
 と内心驚きながらも、私は簡単に現職について説明を始めた。

「……というわけで、結構事務職と言いながらも海外の取引先との連絡をとる際の翻訳の仕事が多くて。英語の勉強は欠かせないんです。転職の時にかなり勉強しましたが、今もスクールに通っています」

 結城さんはうんうん、と深く頷きながら私の話を聞いていた。
 聞いている間も、背筋をまっすぐに伸ばして……婚活パーティーって言うか、むしろ面接のようだ。

< 53 / 258 >

この作品をシェア

pagetop