私の彼氏は真面目過ぎる!【完】
高飛車で「オレ様」なセリフも、翔馬にはふさわしいものに思えた。
目をキラキラさせて、私の答えを待つ翔馬に、こくりと深く頷いた。
「……好き。大好き」
少しうつむき加減で答えた私の髪を、翔馬はわしゃわしゃと搔き乱した。
「じゃあさ――」
「でも、ちょっと待って!」
翔馬が言いかけたその言葉を、私はかすかに残された理性によって無理やり止めた。
まだ私は翔馬から聞いていないことが、2つある。
「翔馬のこと、好き。だから教えて? ……翔馬、何の仕事しているの?」
「仕事?」
翔馬は面食らったようだった。
「俺の仕事、興味ある?」
「もちろんだよ!」
食い気味に返答すると、翔馬は私のおでこを人差し指でツン、と突いた。
「今は内緒。……いつか、ひばりちゃんを幸せにできる仕事だから、安心して」
私を幸せにできる仕事?
幸せにしてくれるってこと、なの?
そのセリフを聞いた瞬間、なぜか私の脳内に繰り広げられたのは、ハワイのチャペルの光景だった。
雲一つない青い空、その下で太陽の光を存分に反射させる真っ白なチャペル。
チャペルはガラス張りで、目の前に広がる太平洋がどこまでも青く広がっている。
その中にいるのは、ウエディングドレスに身を包んだ私と、タキシードの似合う翔馬、それから外国人の神父。
白と青だけの世界の中で、永遠の愛を誓う2人――。
そんな“幸せ”の絵が、私の脳裏で展開された。
この人が、私を幸せにしてくれるんだ!
「わかった」
呑み込みが早すぎるぞ、23歳のひばり!!
もっと突っ込んで訊け!
「……じゃあさ、今度翔馬の家に行きたいから住所教えて?」
妄想に頬を赤らめて、私は問う。聞きたかったことその2。翔馬の住んでいる場所。
「俺の住所? そんなの訊くまでもないだろ?」
翔馬は目を細めた。
「キミの心の中に、俺は住んでるんだよ」
……私の、心の中……!
きゅん。
甘い言葉に、私の脳はとろけた。
そして甘い言葉は同時に、それ以上の私の追及を掻き消してしまったのだった。
目をキラキラさせて、私の答えを待つ翔馬に、こくりと深く頷いた。
「……好き。大好き」
少しうつむき加減で答えた私の髪を、翔馬はわしゃわしゃと搔き乱した。
「じゃあさ――」
「でも、ちょっと待って!」
翔馬が言いかけたその言葉を、私はかすかに残された理性によって無理やり止めた。
まだ私は翔馬から聞いていないことが、2つある。
「翔馬のこと、好き。だから教えて? ……翔馬、何の仕事しているの?」
「仕事?」
翔馬は面食らったようだった。
「俺の仕事、興味ある?」
「もちろんだよ!」
食い気味に返答すると、翔馬は私のおでこを人差し指でツン、と突いた。
「今は内緒。……いつか、ひばりちゃんを幸せにできる仕事だから、安心して」
私を幸せにできる仕事?
幸せにしてくれるってこと、なの?
そのセリフを聞いた瞬間、なぜか私の脳内に繰り広げられたのは、ハワイのチャペルの光景だった。
雲一つない青い空、その下で太陽の光を存分に反射させる真っ白なチャペル。
チャペルはガラス張りで、目の前に広がる太平洋がどこまでも青く広がっている。
その中にいるのは、ウエディングドレスに身を包んだ私と、タキシードの似合う翔馬、それから外国人の神父。
白と青だけの世界の中で、永遠の愛を誓う2人――。
そんな“幸せ”の絵が、私の脳裏で展開された。
この人が、私を幸せにしてくれるんだ!
「わかった」
呑み込みが早すぎるぞ、23歳のひばり!!
もっと突っ込んで訊け!
「……じゃあさ、今度翔馬の家に行きたいから住所教えて?」
妄想に頬を赤らめて、私は問う。聞きたかったことその2。翔馬の住んでいる場所。
「俺の住所? そんなの訊くまでもないだろ?」
翔馬は目を細めた。
「キミの心の中に、俺は住んでるんだよ」
……私の、心の中……!
きゅん。
甘い言葉に、私の脳はとろけた。
そして甘い言葉は同時に、それ以上の私の追及を掻き消してしまったのだった。