それでも君を
さすがに身体がツラいのでタクシーで大学病院へ向かった。



受付を済ませるとすでに話が通っていたようで、すぐに診察室へ案内され、無事颯くんとご対面だ。



「どうした?珍しいな。」



自分から来るのが、という意味だろう。



「あー、うん。ちょっとダルくて。」



「この時期だもんなぁ。さすがの梨央でも気を使うか。」



今までの行動を思い出すとなぁーんにも言い返せない。



「…です、ね。」



「俺からするとやっとかよって感じだけどなー。」



苦笑いしながら颯くんが近づいてきて、私の首元へと手を伸ばす。



「どれどれ。ちょっと熱いな。熱は…?」



「37.8℃です。」



付いてくれていた看護師さんが機敏に答える。



「うーん、微妙だなぁ。とりあえず血液検査しよう!」



「えっ…!」

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