それでも君を
体調が悪いので良いニュースを伝えられる気がしない。



それでも聞かなきゃいけないよね…



やんわりと身体を起こして、颯くんと向き合う。



よく見るとさっきまでいなかったはずの水沢先生まで診察室に来ていて、余計に嫌な予感が募った。



「梨央、2、3日入院して抗生剤入れよっか。このまま内服で様子見れないこともないんだけど、前の事もあるしね。」



やっぱり来たっ…



「……。」



なんて答えたらいいのか分からない。



本音をいうと嫌だ。けど、このまま帰って余計に悪化するのも嫌だ。



「念のため、ですよ。今から治療すれば今回は長期入院にはならないはずです。」



颯くんの手前なのか、病院だからなのか、水沢先生が敬語に戻っている。



入院と言われた直後だからということも手伝って、そんな些細なことでさえ、悲しくなってきてしまう。

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