それでも君を
「刺してもいい?」



「ダメっ!」



もー、前言撤回!全然優しくなんてない!



「待ったら余計に怖くならない?」



それは仰る通りなんですけどね?



「そうなんだけど…。心の準備が追いついてないよ。」



「了解。じゃあ待ちましょう。

きっと青城先生だったらサクッと刺しちゃうんだろうなぁ。」



水沢先生がそんなことを言う。



「うん、颯くんは1秒も待ってくれない。」



「ははっ、想像できるね。」



「でしょ?私に厳しい…んっ!」



「はい、終わり。入ったよ。」



「先生ひどい!不意討ち!」



「ごめんごめん。でももう入っちゃったから。ね?」



そうだった。



水沢先生は時々颯くんより曲者なの忘れてたっ。

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