それでも君を
目いっぱいに涙を溜めながら、伝われ、と先生を見つめる。



「痛くなさそうかな。」



良かった、伝わった。



けど、もうこれ以上耐えるのは無理そうだ。



それを察知した先生から短く問われる。




「無理?吐く?」




僅かにうんと応答した途端、いままで耐えていたものが全て外へと出てしまった。



同時に限界まで溜まった涙もポロっと一筋頬に溢れた。



「っ、はぁ、はぁ。気持ち、悪っ。」



吐いたら幾分かスッキリして言葉が喋れるようになった。

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