それでも君を
「はい、熱測って。」
ぶっきらぼうに体温計を渡される。
受け取ったはいいものの、測りたくなくて手の中で弄んでいると、すかさず颯くんの鋭い突っ込みが飛んできた。
「ぐずぐすしないで脇に挟む。」
体調不良を隠していたためか、颯くんの機嫌がものすごく悪い。
「熱ないと思うけどな。測んなくても大丈夫じゃない?」
チャレンジャーにも言い返してみると、ムッとした顔の颯くんの手が近づいてきてムニッと頬っぺたをつねられた。
「いたたたっ」
「ダメ。顔熱いし、声も弱々しくて全然説得力ない。」
残念でした、早く測って!と急かされながら、そのまま扁桃腺やら首回りを触診される。
もう、勝手に診察始めないでよっ、とむくれつつ、ようやく私はノロノロと体温計を脇に挟んだ。
ぶっきらぼうに体温計を渡される。
受け取ったはいいものの、測りたくなくて手の中で弄んでいると、すかさず颯くんの鋭い突っ込みが飛んできた。
「ぐずぐすしないで脇に挟む。」
体調不良を隠していたためか、颯くんの機嫌がものすごく悪い。
「熱ないと思うけどな。測んなくても大丈夫じゃない?」
チャレンジャーにも言い返してみると、ムッとした顔の颯くんの手が近づいてきてムニッと頬っぺたをつねられた。
「いたたたっ」
「ダメ。顔熱いし、声も弱々しくて全然説得力ない。」
残念でした、早く測って!と急かされながら、そのまま扁桃腺やら首回りを触診される。
もう、勝手に診察始めないでよっ、とむくれつつ、ようやく私はノロノロと体温計を脇に挟んだ。