それでも君を
結局インフルエンザではなかった私は、颯くんと水沢先生の相談の結果、新しく用意された抗生剤のお陰で日に日に回復を遂げた。



「また勉強してるの?」



回診に来た水沢先生から声がかかる。



「うん、少しでもやれることはやっておきたくて。」



「熱心なのはいいけど、程々にね。それと、診察もさせてもらいたいんだけどな?」



「…はーい。」



と、口では返事をしているが、手は動かしたままで、診察を受けようという態度ではない。



「一旦ストップ。先に診察しちゃおうよ。」



見かねた先生からストップがかかる。



その声に反応して、ようやく持っていたペンを置き、ノートから顔を上げた。



これ以上は引き伸ばせないか…



「今日の診察受けたくない理由はなに?なにか隠してる?」

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