それでも君を
病院への道中、とりあえず学校へ連絡を入れ、それから友達や家族へも報告メッセージを送った。



今日の予約は水沢先生だから、先生にはその時に伝えればいいよね。



颯くんにも出会えたらいいんだけどな…



そんなことを思いながら病院へと向かう。



病院に着くと、いつもの通りに受付、採血と済ませ、いつもの通りに診察室前のソファーへと腰を下ろした。



いつもと違うことといえば、嬉しい報告があるため、憂鬱でしかないはずの診察が、今日は待ち遠しいということだ。



早く順調が来ないかな、なんて普段なら絶対ありえない心持ちである。



みんなからのメッセージに一生懸命返信しているうちに、あっという間に自分の番になった。



すっと立ち上がり、少し足早に診察室へと向かう。

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