それでも君を
今日は迎え入れてくれる看護師さんがいないようだ。



扉の前で呼吸を整え、ソロソロっと扉を開けて中を確認する。



「あっ、こんにちは。いらっしゃい。」



こちらに気付いた水沢先生から、にこっと笑顔を添えて挨拶が飛んできた。



「ど、どうも。」



診察室へと足を踏み入れると、急に緊張がピークに達して、変な返しになってしまう。



「おーい、ちゃんと挨拶くらいしろよな。」



予想外の方向から新たな声が飛んできて、ビックリして声の方へと振り返った。



この声の持ち主は…



「颯くん!?なんでいるの?」

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