それでも君を
「そりゃあ、梨央の合否を聞くためだろうな。」



ゆっくりと立ち上がり、颯くんが私たちの方へと近づいてくる。



「青城先生、わざわざ時間作って待っててくれたんだよ。」



え、そうなの?



颯くん本当は優しいんだよね。



嬉しくなって、顔を綻ばせながら颯くんを見る。



「まぁ、今日は患者さんも落ち着いてたからな。それで、大事な結果はどうだったんだよ?」



二人からの熱い視線を受けて、心臓がドキッと跳ねる。



何かを人に伝えるのって緊張するなぁ…っ。



「えーっと……無事、受かりました。」



二人がはっと息を飲む。



「良かったね!おめでとう!!」



「ほらな、大丈夫だって言っただろ。」



それぞれ祝福の仕方は違うけれど、どちらもとっても喜んでくれた。

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