それでも君を
「その出会いを楽しんでほしいという思いももちろんあって…、でも今を逃すと僕が後悔しそうだから…。自分勝手で申し訳ないんだけど。」



「なに?どうしたの?」



黙って聞いていたけれど、緊張感に耐えられなくなってきて、思わず口を挟んでしまう。



一呼吸おいて、意を決したように先生が口を開いた。









「僕の彼女になってくれませんか?」







へっ?



はっ?



ウソ、でしょ?



私は何を言われているのか…



とにかくビックリしすぎて固まってしまった。






「ほ…、ほんとに言ってるの?」



結局発したのはそんな言葉だった。



「もちろん本気だよ。」



先生の表情からは、からかっているような気配は全く感じられない。



「だけど、君はまだ若い。僕みたいな年の離れた奴じゃなくても、出会いはたくさんあると思う。だからよく考えて…」



「先生こそよく考えたの?私病気なんだよ?」


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