それでも君を
「はい、そこまで。」



ようやくテストが終わった。



身体がだるい。



とっても息苦しい。



自分の身体なのに不調の原因が自分で分からないというのは、すごく不安なことだ。



だから病院に行くのが怖いし、逃げたくなる。



ということは、だからそこ行かなければならないのである。



なんて、どうでもよいことに思いを馳せ、ノロノロと机の上を片付けながら、憂鬱な気分と戦う。



「梨央大丈夫?病院まで歩ける?」



片付け終わった香織からそんな声がかかる。



それもまた問題だ。



いくら大学が病院に隣接して建てられているとはいえ、ここから病院まではそれなりに距離がある。



この状態で病院までたどり着けるのだろうか?

< 161 / 604 >

この作品をシェア

pagetop