それでも君を
ガラッ



「おう、来たな。」



診察室の前で話をしていたからか、颯くんが中から出てきて出迎えてくれた。



「あ、じゃあ私たち行くね。またね、梨央!」



ペコッと颯くんに頭を下げて去っていく香織たち。



しばらく見送ってから、ゆっくりと颯くんを見上げる。



「うん、まぁ、入ろうか。」



颯くんに促され診察室へと足を進めるが、やはり息切れがひどい。



その様子を見ていた颯くんの顔色が変わる。



颯くんの顔色をみなくても、自分の状態が良くないことは分かっていたが、どうやらやはり症状は重いようだ。


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