それでも君を
「真ちゃん…」



私の声に反応して、壁に預けていた身体を起こし彼がこちらを見る。



「あっ、来た。…こんにちは。友達?」



香織に挨拶しながら、こちらにも質問を投げかけてくる。



「うん、香織。」



ああ!と真ちゃんが納得する。



「君が香織ちゃん!初めまして、水沢です。」



私の大学での話によく登場する香織。



名前だけ知っていた真ちゃんからしたら、本物だ!って感じなのだろう。



「こちらこそ初めまして!宮内香織です。」

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