それでも君を
あっという間に準備が整い、腕に駆血帯が巻かれた。



真ちゃんの指が血管を探る。



「先に消毒するね。」



位置が決まったようで、アルコール消毒が施される。



「じゃあいくよ。少しだけ頑張ろうね。」



「…やっ、やだっ!やっぱ怖い!!」



と叫んでいるうちにすっと針が刺される。



「っ!ぃ、痛いっっ!」



揺るぎなく続く処置。



「ごめんね、もうちょっとだからね。」



「もぅ、やっ…」



「はい、おしまい。よく頑張りました。」



「うぅ~…痛かった。」



目をウルウルさせて、そう訴える。


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