それでも君を
「梨央ー、調子どう?」



数日後、香織が病室までお見舞いに来てくれた。



「暇でーす。」



「おっ、元気そうじゃん!」



「退院したいくらい元気だよー。来てくれて嬉しいっ!」



点滴に繋がれているだけで、それ以外ほとんどすることがない。



今回の入院は熱もないので、余計に暇をもて余してしまっているのだ。



「退院まだ先なの?」



元気そうな姿を見て、香織ですら退院出来そうと思ったらしい。



「さぁ。まだその質問してない。」



「そっか。まだ点滴繋がってるしね。」



香織のその言葉に、ふたり揃って吊るされている点滴を見上げる。



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