それでも君を
なんとも辛いところを香織に突かれてしまう。



やりたくない一心で拒否していたけれど、当然私も理解しているのだ。



薬の影響で出ないのだから、この薬を止めない限り、いくら待ったとしても出ないことを。



「梨央も分かってるんだよね?でも心が拒否してる。」



心の内を言い当てられて、うん、と頷くことしか出来ない。



「あとはふたりで話し合って下さい。私今日は帰りますね。梨央また来るね。頑張れっ!」



そう言い残してサクッと帰っていく香織。



昔なら嫌だけで済んだところを、医学を勉強し始めたお陰で、最近は度々こういう葛藤が生じる。



必要性は分かる、けど受けたくない。



ここの折り合いを着けるのが難しく、なかなか上手くいかない。



そして忙しい真ちゃんたちの手を煩わせてしまうのだ。



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