それでも君を
「5分我慢だからな。」



下着を戻しながら次のミッションを与えられる。



「…5分も?」



正直我慢できる気がしない…



「我慢しないと意味ないぞ。じゃ、水沢先生あとはよろしくね。」



「はい、分かりました。」



颯くんが病室から出ていくと、真ちゃんは崩れるように椅子に腰掛けた。



「はぁ…怖かった…」



「私も…。ごめん。…私のせいで怒られちゃった、よね?」



「いや、僕の判断能力不足だよ。」



こんなにへこんでいる真ちゃんを初めて見たかもしれない。



「青城先生はすごいな、やっぱり。」



「そ、だね…。」



適当に相槌を打ってしまった理由は、気になることが他にあるからで…。



「あ、あのさ、もうトイレ行ってもいい?」



「まだ1分も経ってないよ。もう少し我慢しよう。」



へこんでるのに時間はしっかり測っていたらしい真ちゃんから、なんとも酷な返答が来る。



うぅ、、もう出したいよ…



颯くんに怒られた手前、私を甘やかすことは出来なかったのだろう。



トイレへ行く許可が真ちゃんから出たのは、結局きっちり5分後のことだった。


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