それでも君を
私がそう言うと、さっきまで離してと暴れていたのはどこへやら、今度は私の白衣をキュッと掴んで離れようとしない。



「ここちゃんしなーい。」



自己表現はしっかりと出来ている。



「どうして?もしもし怖くないよ?」



私が言えたような立場ではないと内心思いながら、必死に説得を試みる。



だけど心海ちゃんの気持ちは揺るがないみたいだ。



「ダメそうだな。立川抱っこしたままここ座ってくれ。背中からするわ。」



埒が明かないとみたのか、小松先生は強行突破を決めたようだ。



その雰囲気を察したのだろう、心海ちゃんが愚図り出す。



そりゃ怖いよね。こんな小さな身体で、、

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