それでも君を
「…うん。」



残念だが、ここで無理をしても、状況は悪くなるだけだと長年の経験で分かっているので、素直にその指示に従うことにする。



素直に受け入れると、真ちゃんがぽんぽんと頭を撫でてくれた。



「なにか食べて薬飲もう。お粥でいい?」



お粥の気分じゃないなぁ…



「…パンがいい。」



そう言うと、ふっと真ちゃんが笑う。



「やっぱり熱あるね。」



正直にパンがいいと言った私をみて、その判断に至ったようだ。



熱があると私が素直な気持ちを口にすることは、真ちゃんもとっくに気付いていたらしい。

< 257 / 604 >

この作品をシェア

pagetop