それでも君を
「帰りに何か美味しいもの買ってくるから。ちょっとだけ待ってられる?」



本人すらよく分かっていない“寂しい”という感情を、真ちゃんはしっかりと読み取ってくれていた。



「…うん、ごめんっ。患者さん待ってるよね。早く行ってあげて?」



私はなにをやってるんだろう…



すぐにそんな後悔が押し寄せてきて、無理矢理作った笑顔で真ちゃんを送り出す。



困らせたい訳じゃない…



「…無理しないでね。じゃあ行ってきます。」


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