それでも君を
はぁ、とため息をつきながらそのままテーブルに突っ伏す。



ふと、真ちゃんが出掛ける前に読んでいた医学書が目に入った。



何の意味もないし、読む気すらもないけれど、パラパラと捲ってみる。



早く、会いたいな…



つい数時間前まで一緒に居たというのに、そんな気持ちになるなんて、私はおかしいのだろうか。



いや、数時間前まで一緒に居たからこその気持ちなのかもしれない。



そして、私が今自宅安静中で、暇をもて余しているのも原因だろう。



…真ちゃんのせいだ。



ぜんぶ私をこんな気持ちにさせる真ちゃんが悪い。

< 266 / 604 >

この作品をシェア

pagetop