それでも君を
いつものように結愛がささっと診察室から出ていってしまい、気まずい雰囲気の中、颯くんと向き合う事となる。



「ごめん、なさい。」



とりあえず平謝りするしかない。



「何がごめんなさいなの?」



「プール、入ったこと。」



「ダメって分かってて入ったのか?もう高校生だろ?ちゃんと自分で判断しなさい。」



「ごめん、なさ、い。」



気持ちが沈んでいくのが分かる。



私だって、入りたくて入ったわけではないのに…




……




「それで、どうして入ったんだ?」



「えっ…?」



「あるんだろ?理由が。」

< 27 / 604 >

この作品をシェア

pagetop